対象判定・シーン別

業務用冷凍庫はフロン点検の対象?|銘板・冷媒・定格出力を確認

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

業務用冷凍庫は、業務用として製造され、冷媒としてフロン類が充塡されている場合に第一種特定製品となります。厨房やバックヤードに置かれていることだけで決めず、機器の仕様、冷媒、圧縮機の定格出力を確認します。

フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第2条第3項、管理者判断基準第二・別表2を基に、2026年9月20日に確認しました。管理者判断基準は2020年4月1日施行の改正内容を含みます。

業務用冷凍庫で確認する対象条件

業務用の仕様と冷媒

飲食店の厨房にある業務用冷凍庫と銘板の図
飲食店の厨房にある業務用冷凍庫と銘板の図

第一種特定製品は、業務用として製造された冷蔵機器又は冷凍機器で、冷媒としてフロン類が充塡されているものです。飲食店の厨房、冷凍倉庫、バックヤードなどにある冷凍庫でも、設置場所ではなく機器の仕様で確認します。家庭用の冷凍庫を事業所で使用している場合も、使用場所だけでは業務用機器になりません。

対象判定の基本は、フロン点検の義務と対象機器で確認できます。型式、銘板、取扱説明書、メーカー資料を対応させます。

設置場所ごとに台帳を整える

バックヤードと冷凍倉庫の冷凍庫を機器台帳で整理する図
バックヤードと冷凍倉庫の冷凍庫を機器台帳で整理する図

複数の冷凍庫がある場合は、厨房、バックヤード、冷凍倉庫など設置場所ごとに、管理番号、型式、冷媒、点検日を一覧にします。機器の呼び名が似ていても、圧縮機の構成や定格出力が異なる場合があります。台数をまとめる前に、機器ごとの情報を照合します。

リースやテナントの機器では、所有者以外が保守・修繕の責務を負う書面があるかも確認します。管理者が誰かを明確にしてから、点検記録の保管者を決めます。

銘板で確認する項目

圧縮機の定格出力

冷凍庫の圧縮機定格出力を銘板で確認する図
冷凍庫の圧縮機定格出力を銘板で確認する図

冷蔵機器及び冷凍機器の定期点検では、圧縮機を駆動する電動機又は内燃機関の定格出力を確認します。管理者判断基準別表2では、7.5kW以上の冷蔵機器及び冷凍機器は、1年に1回以上の定期点検の区分です。冷凍庫の容量や外形寸法ではなく、圧縮機の定格出力を確認します。

銘板の定格出力が読めない、又は室外機と冷凍庫の関係が分からない場合は、型式と設置状況をそろえてメーカー又は販売店に確認します。

冷媒と機器構成

冷媒配管と機器構成を確認する管理者の図
冷媒配管と機器構成を確認する管理者の図

冷凍庫本体だけでなく、冷凍機、室外機、配管が一つの冷媒系統として構成されている場合があります。冷媒の種類と圧縮機の所在を、銘板や仕様書で確認します。複数の圧縮機があるときは、冷媒系統が同じかも定格出力の確認に関係します。

定格出力の確認の基本は、業務用エアコンの定格出力の見方も参考になります。機器名だけで出力を推測しないことが重要です。

点検頻度を整理する

簡易点検

冷凍庫の外観、異常音、温度を確認する簡易点検の図
冷凍庫の外観、異常音、温度を確認する簡易点検の図

第一種特定製品に当たる冷凍庫では、簡易点検を3か月に1回以上行います。冷凍機器では、異常音、外観の劣化、油漏れ、熱交換器の霜に加え、冷凍に用いる倉庫や陳列棚などの温度を確認します。実施者に具体的な限定はなく、管理者自身が行えます。

点検を行った旨と実施年月日を記録します。漏えいや故障等が確認又は疑われるときは、可能な限り速やかに専門点検を行います。

定期点検

定期点検は、圧縮機の定格出力が7.5kW以上かで確認します。7.5kW以上の冷凍機器は1年に1回以上の区分です。十分な知見を有する者が検査を自ら行うか立ち会う必要があるため、機器ごとの仕様を事前に整理します。

機器・出力・確認する点検

確認項目確認する場所点検の考え方個別確認先
業務用仕様銘板、仕様書使用場所では決めないメーカー資料
冷媒銘板、整備記録フロン類かを確認メーカー、整備記録
定格出力圧縮機の銘板7.5kW以上なら定期点検の区分を確認メーカー、販売店
簡易点検本体、周辺、温度3か月に1回以上機器ごとの記録

点検区分の比較は、簡易点検と定期点検の違いで確認できます。

冷凍庫を管理するときの確認手順

台帳と冷媒系統を照合する

冷凍庫は、庫内、冷凍機、室外機、配管が一つの冷媒系統として構成される場合があります。台帳では、冷凍庫本体の名称だけでなく、対応する冷凍機や室外機の型式、管理番号、設置場所を結び付けます。厨房、バックヤード、冷凍倉庫にある機器を一覧にして、どの記録がどの冷媒系統に対応するかを確認します。

増設や改装の際に機器の位置が変わった場合は、古い台帳の設置場所と現在の位置を照合します。似た型式の機器が複数あるときも、製造番号や管理番号で区別します。点検日や整備日を同じ一覧に残すと、記録の漏れを確認しやすくなります。

簡易点検の確認結果を残す

冷凍機器の簡易点検では、異常音、外観の損傷・腐食、油漏れ、熱交換器の霜に加え、冷凍に用いる場所の温度を確認します。温度が想定と異なる場合も、温度だけで故障や漏えいを判断せず、外観や運転状態を含めて記録します。異常が疑われるときは、可能な限り速やかに専門点検を行うことを確認します。

点検を実施した日と、点検を行った旨を機器別に記録します。確認者が複数いる場合は、記録の形式をそろえ、同じ機器について点検日が重複していないかを確認します。高所や狭い通路など、安全に確認できない箇所については、状況を残します。

廃棄前の記録を確認する

冷凍庫を廃棄する前には、点検整備記録簿から冷媒の種類、過去の充塡・回収、機器の識別情報を確認します。廃棄時の回収依頼書、委託確認書、引取証明書は、日常の点検記録とは別に保管します。点検記録があることだけで、廃棄時の書類が揃うわけではありません。

機器そのものを解体業者やスクラップ業者へ引き渡すときは、法第45条の2第1項に基づき引取証明書の写しを交付します。冷媒の引渡しと機器の引渡しを別の手続として、冷凍庫ごとの記録に残します。この取扱いは2026年9月20日に確認しました。

廃棄後には、冷媒の引渡しが完了した日を記録簿の保存期間の確認に使います。機器ごとの記録と廃棄書類を対応させると、処分後の照会にも確認しやすくなります。

確認した根拠を案件票に残す

業務用冷凍庫の点検対象に関する確認を行った日には、対象機器の管理番号、型式、設置場所、確認した資料、確認した担当者を案件票に残します。銘板、冷媒系統、機器台帳、簡易点検及び整備の記録を別々に保管する場合にも、同じ機器番号から保管場所を探せるようにします。口頭で確認した内容があるときは、確認先、確認日、確認した事項を記録し、推測で補った情報と区別します。

確認の結果が前回と異なる場合には、異なる理由を機器の変更、設置場所の変更、記録の追加、資料の更新などに分けて確認します。数値や書類の名称だけを更新するのではなく、どの資料に基づいて変更したかを残します。後から確認する担当者が、元の状態と変更後の状態を照合できるようにします。

管理責任や機器状態の変更を確認する

冷凍庫の増設・更新、冷凍機の交換、設置場所の変更がある場合には、管理者、保管する記録、確認の時点を見直します。現在の台帳だけでは過去の事実関係が分からなくなるため、変更前後の情報を消さずに履歴として残します。複数拠点の機器を扱う場合も、同じ名称の機器を設置場所と管理番号で区別します。

担当者の交代や組織変更があるときには、どの記録を誰が引き継ぐかを一覧で確認します。保管場所へのアクセス方法、紙の原本の所在、電子記録の確認方法を引継ぎ資料に記します。確認が済んでいない項目には、次に確認する資料や窓口を残します。

次の確認へつなぐ

次回の点検区分又は廃棄時の書類確認を進める前に、機器情報、記録、確認結果に不足がないかを見直します。確認できない事項は類似機器の情報で置き換えず、型式、銘板、公式資料、所管窓口などの根拠を確認します。判断に使った条件を残すことで、同じ機器を次回確認するときの手掛かりになります。

定期的に案件票と機器台帳を見比べ、廃棄済み、譲渡済み、移設済みの機器が現在の一覧に残っていないかを確認します。記録の保管期間が異なる書類は、書類名と起算日を分けて管理します。

まとめ

業務用冷凍庫は、冷媒、業務用仕様、圧縮機の定格出力を順に確認します。点検頻度を機器名だけで決めず、関連情報は事例・ケースで確認できます。

よくある質問

Q. 小型の冷凍庫も対象ですか
容量や外形だけでは決まりません。業務用として製造された仕様、冷媒としてフロン類を使用するか、銘板の情報を確認します。
Q. ショーケースと同じですか
どちらも冷蔵機器又は冷凍機器となり得ますが、機器ごとの冷媒、圧縮機の定格出力、構成を確認します。機器名だけで一律に判断しません。
Q. 銘板が読めない場合はどうしますか
型式、設置場所、機器の構成を控え、メーカー又は販売店へ確認します。類似機種の数値を流用しないようにします。
Q. 冷凍庫だけで定期点検が決まりますか
定期点検は、圧縮機を駆動する電動機又は内燃機関の定格出力で確認します。7.5kW以上かを銘板等で確認してください。

出典

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