フロン点検の記録簿作成費とは|料金例を見る前の確認項目
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
点検記録簿作成費は、機器ごとの点検整備記録を整える作業に関する費目です。金額だけを取り出さず、対象となる点検、機器の区分、設置場所、税、出張料・諸経費の扱いを同じ条件で確認します。
一般社団法人フロン排出抑制機構「点検費用 -2」(定期点検)の公表例と、管理者判断基準第四を、2026年9月21日に確認しました。制度上の記録事項と、公表されている料金例の適用条件は別に確認します。
記録簿と費目の関係
機器ごとの記録を確認する

管理者判断基準第四は、第一種特定製品ごとに点検整備記録簿を作成し、機器の基礎情報、点検、整備、冷媒の充塡・回収等を記録する考え方を示しています。記録簿作成費が示される場合も、どの機器の、どの記録を対象とするのかを確認します。
対象機器の基本は、フロン点検の義務と対象機器で確認できます。機器の台数だけでなく、型式、管理番号、設置場所、点検区分を対応させます。
料金例の一部として読む

公表されている記録簿作成費は、一般社団法人フロン排出抑制機構の定期点検に関する一団体の料金例です。すべての点検、すべての機器、すべての設置場所で同じ条件になることを示すものではありません。簡易点検のページでは、機器リスト・点検記録簿作成費は別途と示されており、金額は記載されていません。
定期点検の料金例を確認する際には、適用される機器の定格出力と、対象外となる機器の別途見積りを同じ情報として確認します。
料金例で確認する条件
機器情報と点検範囲

公表例の適用範囲は、業務用エアコンの定格出力が7.5kWから15kWまでです。機器の名称や設置場所から適用を決めず、圧縮機を駆動する原動機の定格出力を銘板などで確認します。15.1kW以上の業務用エアコン、7.5kW以上の冷凍・冷蔵庫やチリングユニット等は、型式を確認したうえで別途見積りの対象とされています。
定格出力の見方は、業務用エアコンの定格出力の見方も参照できます。定期点検の対象区分と、公表料金例の適用範囲を同じ意味に扱わないようにします。
設置場所・税・別途費用

公表例は税別で、費用は設置場所の住所ごとに算出され、出張料・諸経費等は別途必要と案内されています。複数の店舗、事務所、工場の機器を一度に確認する場合でも、設置場所ごとの条件を整理します。作業環境や特殊な作業の有無も、別途費用に関係します。
記録簿作成費の表示だけを見て、出張料や諸経費を含むと考えないようにします。見積書では、税の表示と別途項目の扱いを確認します。
見積で整理する項目
記録に含まれる内容を確認する

記録簿に何を残すかは、告示第四の記録事項と、実際に点検・整備で確認した内容から整理します。見積書では、対象機器、機器番号、点検の区分、記録の作成範囲、設置場所、税、出張料・諸経費を確認します。記録が紙か電子かも、保管と引渡しの方法に関係します。
点検整備記録簿は、冷媒の引渡しが完了した日から3年を経過する日まで保存する考え方です。機器を譲渡する場合には、記録簿又は写しを機器とともに引き渡す確認があります。
料金例を一般化しない
公表例は一団体の定期点検に関する条件です。別の機器区分、別の点検、別の設置場所へそのまま当てはめず、型式と条件を確認します。複数の事業者の実名や料金を並べて比較するのではなく、対象となる機器と記録の範囲を見積書で確かめます。
記録事項・料金例・見積の確認表
| 記録事項(告示 第四) | 料金例の条件 | 見積で確認する欄 |
|---|---|---|
| 機器の基礎情報、点検、整備、冷媒の充塡・回収を機器ごとに記録する | 一般社団法人フロン排出抑制機構「点検費用 -2」(定期点検)の2026年9月時点の公表例では、点検記録簿作成費は @3,000/台(税別・1台あたり3,000円)。適用範囲は業務用エアコン7.5〜15kWまで。15.1kW以上の業務用エアコン、7.5kW以上の冷凍・冷蔵庫やチリングユニット等は、製造メーカーへ型式を確認のうえ別途見積り。費用は設置場所(住所)ごとに算出し、出張料・諸経費等は別途必要。 | 型式、機器番号、台数、点検区分、設置住所、税の表示、出張料・諸経費、記録の作成範囲 |
| 点検を行った旨と実施年月日を残す | 簡易点検の公表ページでは、機器リスト・点検記録簿作成費は別途とされ、金額は記載されていない | 点検日、点検結果、記録の保管場所 |
| 記録簿又は写しを譲渡時に機器とともに引き渡す | 定期点検の料金例の対象条件と、制度上の記録事項は別に確認する | 引渡しの有無、写しの範囲、保管方法 |
日常の点検区分は、簡易点検と定期点検の違いで確認できます。
記録の範囲を見積と照合する
機器ごとの基礎情報を確認する
点検整備記録簿には、機器を特定する基礎情報を記録します。見積書で記録簿作成に関する費目を確認する際にも、型式、管理番号、設置場所、冷媒、点検区分が対象機器と対応するかを確認します。複数台の業務用エアコンがある場合には、室内機と室外機の対応、定格出力、点検の実施日を整理します。
同じ型式の機器でも、設置場所や冷媒系統が異なる場合があります。機器名だけを記録して台数をまとめず、個別の管理番号を使います。記録の対象範囲が分かれば、作成する記録簿に別機器の情報が混ざることを防げます。
点検・整備の記録との対応を確認する
告示第四の記録事項には、点検を行った旨、実施年月日、整備、冷媒の充塡・回収などが含まれます。記録簿作成の範囲を確認する場合には、簡易点検、定期点検、整備のどの記録を対象とするかを見積書と照合します。記録の作成だけで、点検そのものの実施が確認できるわけではありません。
紙か電子かという保存方法も、機器ごとの記録を閲覧できることと、保存期間を確認するために重要です。管理者が交代する場合や機器を譲渡する場合には、誰がどの記録を保管又は引き渡すかを整理します。
設置場所ごとの条件を残す
公表例は設置場所の住所ごとに費用を算出する条件です。見積書では、各拠点の機器台数、設置場所、点検区分、作業環境、税、出張料・諸経費の扱いを記録します。複数拠点の機器を一つの記録簿にまとめる場合にも、どの機器がどの拠点にあるかを分かるようにします。
記録の保管場所と、見積に記載された対象機器を対応させると、点検後に記録が不足していないかを確認しやすくなります。対象外の機器や別途見積りとなる機器を同じ条件に置き換えず、型式と定格出力を確認します。
確認した根拠を案件票に残す
点検記録簿作成に関する確認を行った日には、対象機器の管理番号、型式、設置場所、確認した資料、確認した担当者を案件票に残します。対象機器の台帳、点検整備記録簿、点検区分、見積書に記載された条件を別々に保管する場合にも、同じ機器番号から保管場所を探せるようにします。口頭で確認した内容があるときは、確認先、確認日、確認した事項を記録し、推測で補った情報と区別します。
確認の結果が前回と異なる場合には、異なる理由を機器の変更、設置場所の変更、記録の追加、資料の更新などに分けて確認します。数値や書類の名称だけを更新するのではなく、どの資料に基づいて変更したかを残します。後から確認する担当者が、元の状態と変更後の状態を照合できるようにします。
管理責任や機器状態の変更を確認する
機器の台数、定格出力、設置場所、記録の保管方法又は対象作業の変更がある場合には、管理者、保管する記録、確認の時点を見直します。現在の台帳だけでは過去の事実関係が分からなくなるため、変更前後の情報を消さずに履歴として残します。複数拠点の機器を扱う場合も、同じ名称の機器を設置場所と管理番号で区別します。
担当者の交代や組織変更があるときには、どの記録を誰が引き継ぐかを一覧で確認します。保管場所へのアクセス方法、紙の原本の所在、電子記録の確認方法を引継ぎ資料に記します。確認が済んでいない項目には、次に確認する資料や窓口を残します。
次の確認へつなぐ
見積書の条件又は記録簿の保存・引渡しの確認を進める前に、機器情報、記録、確認結果に不足がないかを見直します。確認できない事項は類似機器の情報で置き換えず、型式、銘板、公式資料、所管窓口などの根拠を確認します。判断に使った条件を残すことで、同じ機器を次回確認するときの手掛かりになります。
定期的に案件票と機器台帳を見比べ、廃棄済み、譲渡済み、移設済みの機器が現在の一覧に残っていないかを確認します。記録の保管期間が異なる書類は、書類名と起算日を分けて管理します。
まとめ
記録簿作成費は、機器ごとの記録と、定期点検の公表例の適用条件を一緒に確認します。対象機器、設置場所、税、出張料・諸経費を分けて整理し、関連情報は費用の確認で確認できます。
よくある質問
- Q. 記録簿作成費は必ず別ですか
- 費目の扱いは、公表例の対象となる点検、機器、設置場所で確認します。簡易点検の公表ページでは、機器リスト・点検記録簿作成費は別途と示されています。
- Q. 電子記録でも費用は同じですか
- 電子か紙かだけで料金例の適用を決めることはできません。記録の作成範囲、対象機器、点検区分、設置場所、別途費用を見積書で確認します。
- Q. 記録簿に何を残しますか
- 管理者判断基準第四に基づき、機器の基礎情報、点検、整備、冷媒の充塡・回収等を機器ごとに記録します。点検を行った旨と実施年月日も確認します。
- Q. 料金例の対象外ならどうしますか
- 15.1kW以上の業務用エアコン、7.5kW以上の冷凍・冷蔵庫やチリングユニット等は、製造メーカーへ型式を確認したうえで別途見積りとされています。対象機器の仕様を確認します。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.一般社団法人フロン排出抑制機構「点検費用」(furon.org)
- 2.一般社団法人フロン排出抑制機構「点検費用 -2」(定期点検)(furon.org)
- 3.環境省「第一種特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項」(env.go.jp)