フロン類算定漏えい量の報告期限|7月31日までに確認すること
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
フロン類算定漏えい量の報告では、前年度の算定結果を確認し、毎年度7月31日までに提出する期限があります。期限だけを予定表に入れるのではなく、年度の記録、算定結果、報告主体、提出先を順に確認します。
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第19条から第21条、フロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令第3条・第4条を基に、2015年4月1日からの報告制度を2026年9月20日に確認しました。
期限を確認する前提
対象年度を先に決める

報告の期限を確認する前に、どの年度の充塡・回収記録を集計するかを決めます。年度の途中に機器を追加、売却、廃棄した場合も、整備日と管理していた期間を記録で確認します。前年度の記録が拠点別に分かれている場合は、同じ対象年度の資料だけを集めます。
対象機器の整理には、フロン点検の義務と対象機器が参考になります。対象かどうかの確認と、報告対象となる算定漏えい量の集計は別の順序で進めます。
算定結果と報告主体を確認する

報告の確認では、前年度の算定漏えい量が年間1,000トンCO2以上かを、制度上の報告主体ごとに確認します。事業所ごとの一覧だけで終えず、法人全体の管理関係や事業形態を整理します。フランチャイズの加盟店などは、どの主体の機器記録として扱うかを確認します。
集計の結果だけではなく、冷媒種類、充塡量、回収量、係数、対象年度という根拠を残します。期限直前に数値を見直す場合にも、元の記録まで戻って確認できます。
7月31日までに整える情報
算定の根拠となる記録

実漏えい量は、整備時の充塡量から同じ整備時の回収量を差し引いて確認します。新設又は設置の際の初期充塡は分け、冷媒種類に応じた係数でCO2換算します。集計表には、各数字がどの点検整備記録簿又は整備記録に基づくかを記します。
定格出力の確認方法は、業務用エアコンの定格出力の見方で確認できます。報告用の集計では、冷媒の種類と充塡・回収の記録を中心に確認します。
提出先と提出内容

命令第4条は、特定漏えい者が毎年度7月31日までに、前年度の算定漏えい量等を事業を所管する大臣へ報告する仕組みを定めています。複数の事業を行う場合や提出経路が不明な場合は、所管省庁の案内で提出先と様式を確認します。
提出する前には、対象年度、報告主体、算定の根拠、提出日を照合します。報告期限を過ぎないよう、記録の収集、計算の確認、社内の承認手順に必要な期間も予定に入れます。
年間の確認順
期限から逆算する

年度終了後は、整備記録を集め、冷媒種類ごとに実漏えい量とCO2換算量を整理し、報告主体の範囲を確認します。その上で、年間1,000トンCO2以上となるかを確認し、該当する場合は7月31日までの提出に向けて必要な情報をそろえます。
日常の点検記録の保管は、簡易点検と定期点検の違いも参照できます。年度の途中から記録を集めるのではなく、日頃から機器別に整備記録を残します。
期限後の取扱いを決めつけない
提出時期や訂正が必要になった場合の取扱いは、個別の事実関係や提出先の案内で確認します。期限を過ぎたときに独自の対応を決める前に、所管省庁へ状況を確認します。根拠資料と連絡の経過を整理しておくと、確認事項を伝えやすくなります。
報告期限の確認表
| 確認時期 | 確認する内容 | 記録するもの |
|---|---|---|
| 年度中 | 整備時の充塡量・回収量、冷媒種類 | 点検整備記録簿、整備記録 |
| 年度終了後 | 実漏えい量、CO2換算量、報告主体 | 集計表、係数の確認資料 |
| 提出前 | 年間1,000トンCO2以上か、提出先 | 報告内容、根拠資料 |
| 毎年度7月31日まで | 提出期限 | 提出日、提出先、控え |
期限管理に必要な準備
年度中から記録を集める
7月31日までに報告の確認を行うためには、年度末になってから機器の記録を探し始めないことが重要です。整備が行われた都度、機器番号、作業日、冷媒種類、充塡量、回収量を記録し、拠点ごとの保管場所を一覧にします。管理者が交代した場合や店舗の組織が変わった場合にも、前年度の記録を引き継げます。
複数拠点の記録が一つの時期に集まらない場合は、回収予定日を拠点ごとに決め、未提出の記録を確認します。集計を始める日、数値を確認する日、提出内容を確認する日を分けると、期限直前に根拠資料が不足する状況を避けやすくなります。
提出前の照合項目を決める
提出前には、対象年度、集計した機器の範囲、冷媒種類、係数、年間の算定漏えい量、報告主体、提出先を同じ確認表で照合します。担当者が作成した集計表と、機器別の整備記録を別の者が確認する方法も有効です。数字の一致だけではなく、使った記録が対象年度のものかを確認します。
一の事業所に係る算定漏えい量が千トンCO2以上となる場合には、事業所ごとの事項についても確認します。事業の所管が複数に分かれる場合には、提出先を自己判断せず、所管省庁の案内を確認します。
提出後に残す記録
報告を行った後には、提出した日、提出先、提出した内容、集計表、元の記録を対応させて保管します。年度後に訂正や照会が必要になった場合に、どの数字をどの機器記録から計算したかを確認できます。提出画面の控えだけでなく、算定の根拠も残します。
翌年度の予定を作るときには、今回不足した記録や確認に時間がかかった拠点を振り返ります。前年度の様式を流用する場合も、期限、制度上の主体、対象年度を毎年度確認します。
確認した根拠を案件票に残す
報告期限に向けた確認を行った日には、対象機器の管理番号、型式、設置場所、確認した資料、確認した担当者を案件票に残します。前年度の整備記録、集計表、提出に必要な確認結果を別々に保管する場合にも、同じ機器番号から保管場所を探せるようにします。口頭で確認した内容があるときは、確認先、確認日、確認した事項を記録し、推測で補った情報と区別します。
確認の結果が前回と異なる場合には、異なる理由を機器の変更、設置場所の変更、記録の追加、資料の更新などに分けて確認します。数値や書類の名称だけを更新するのではなく、どの資料に基づいて変更したかを残します。後から確認する担当者が、元の状態と変更後の状態を照合できるようにします。
管理責任や機器状態の変更を確認する
拠点の増減、組織の変更、機器の所有又は管理関係の変更がある場合には、管理者、保管する記録、確認の時点を見直します。現在の台帳だけでは過去の事実関係が分からなくなるため、変更前後の情報を消さずに履歴として残します。複数拠点の機器を扱う場合も、同じ名称の機器を設置場所と管理番号で区別します。
担当者の交代や組織変更があるときには、どの記録を誰が引き継ぐかを一覧で確認します。保管場所へのアクセス方法、紙の原本の所在、電子記録の確認方法を引継ぎ資料に記します。確認が済んでいない項目には、次に確認する資料や窓口を残します。
次の確認へつなぐ
提出内容と提出先の確認を進める前に、機器情報、記録、確認結果に不足がないかを見直します。確認できない事項は類似機器の情報で置き換えず、型式、銘板、公式資料、所管窓口などの根拠を確認します。判断に使った条件を残すことで、同じ機器を次回確認するときの手掛かりになります。
定期的に案件票と機器台帳を見比べ、廃棄済み、譲渡済み、移設済みの機器が現在の一覧に残っていないかを確認します。記録の保管期間が異なる書類は、書類名と起算日を分けて管理します。
まとめ
報告期限は毎年度7月31日です。前年度の記録、算定結果、報告主体、提出先を順に確認し、関連する制度は法令・制度解説で確認できます。
よくある質問
- Q. いつの記録を使いますか
- 前年度の整備時の充塡・回収記録を確認します。年度の開始日と終了日を決め、対象期間外の記録が混ざらないようにします。
- Q. 7月31日は毎年同じですか
- 命令第4条は毎年度7月31日までの報告を定めています。休日の扱いや提出方法などは、提出先の案内も確認してください。
- Q. どの大臣へ提出しますか
- 報告は事業を所管する大臣へ行う仕組みです。複数の事業を行う場合は、所管省庁の案内で提出先を確認します。
- Q. 算定結果が不明なときはどうしますか
- 機器別の整備記録、冷媒種類、係数、年度を確認します。不明な前提を推測で埋めず、所管省庁の案内や専門的な確認先を利用してください。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)(laws.e-gov.go.jp)
- 2.フロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令(laws.e-gov.go.jp)
- 3.環境省「フロン類算定漏えい量報告・公表制度」(env.go.jp)