法令・制度解説

フランチャイズとフロン漏えい量報告|本部・加盟店の確認事項

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

フランチャイズでは、本部と加盟店のどちらが機器の使用等を管理しているかを確認してから、フロン類算定漏えい量の集計を考えます。店舗数だけで報告主体を決めず、契約、機器の所有・管理、制度上の要件を照合します。

フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第19条第2項、同条第1項、フロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令第2条から第4条を基に、2015年4月1日からの報告制度を2026年9月20日に確認しました。

フランチャイズで最初に確認すること

機器の使用等を管理する関係

本部、加盟店、店舗の機器台帳を照合する図
本部、加盟店、店舗の機器台帳を照合する図

法第19条第2項は、一定の要件を満たす連鎖化事業者について、加盟者の第一種特定製品の使用等を当該連鎖化事業者のものとみなして適用する仕組みを定めています。どの事業者が該当するかは、名称や店舗数だけでは決まりません。契約書、機器の管理責任、使用等に関する実態を確認します。

第一種特定製品の基本的な範囲は、フロン点検の義務と対象機器で確認できます。店舗の冷蔵ショーケースや室外機も、業務用の仕様と冷媒を確認します。

本部と加盟店の記録を分けて見る

本部と加盟店の整備記録を分けて一覧化する図
本部と加盟店の整備記録を分けて一覧化する図

制度上の集計範囲を確認するため、本部と加盟店それぞれが保有する機器台帳、点検整備記録簿、整備時の冷媒充塡・回収記録を分けて整理します。帳票の形式が同じでも、所有者、管理責任、設置場所、記録の保管者を確認します。記録が本部のシステムに集まっていることだけでは、報告主体が決まるものではありません。

定格出力の見方は、業務用エアコンの定格出力の見方を参照できます。定期点検の区分と、漏えい量を誰の記録として集計するかは別に確認します。

集計の前にそろえる記録

機器・拠点・年度を対応させる

店舗別、機器別、年度別に記録を整理する図
店舗別、機器別、年度別に記録を整理する図

集計前には、各機器について店舗又は拠点、管理番号、冷媒種類、整備日、充塡量、回収量を対応させます。年度をまたぐ作業や、店舗の譲渡・閉店・改装がある場合も、整備日と当時の管理関係を確認します。加盟店ごとの集計表と、連鎖化事業者として扱う範囲の表を分けると、確認の前提が明確になります。

実漏えい量は、整備時の充塡量から同じ整備時の回収量を控除し、設置時の初期充塡を除く取扱いです。冷媒種類ごとにCO2換算した記録を残します。

報告の閾値を確認する

CO2換算量を集計して千トン基準を確認する図
CO2換算量を集計して千トン基準を確認する図

フロン類算定漏えい量が年間1,000トンCO2以上かを確認する際は、法第19条第2項の適用関係を整理した後で、命令第2条・第3条の算定と閾値を確認します。加盟店の数や設備台数を基準に、一律に本部が報告すると決めるものではありません。

報告の要否や集計に含める店舗の範囲は、個別のフランチャイズ契約や管理実態により確認が必要です。迷う場合は、所管省庁の案内に沿って確認します。

報告までに確認する順序

前年度の記録から集計する

前年度の店舗別記録から全体集計へ進む図
前年度の店舗別記録から全体集計へ進む図

前年度の整備記録を集め、冷媒種類ごとに実漏えい量とCO2換算量を確認します。次に、制度上の報告主体に含める機器の範囲を照合し、年間の算定漏えい量を集計します。対象となる場合は、事業所管大臣への報告と毎年度7月31日までの期限を確認します。

日常の点検・整備情報は、簡易点検と定期点検の違いも参照できます。拠点ごとの記録を年度末に初めて集めるのではなく、日頃から機器と店舗を対応させて保管します。

契約だけで結論を出さない

契約書は管理関係を確認する重要な資料ですが、法第19条第2項の要件に当たるかは、機器の使用等を管理する関係も含めて確認します。本部・加盟店のいずれかを一律に報告主体とする説明は避け、個別の状況を所管省庁の案内で確認します。

本部・加盟店の確認表

確認項目本部側で確認する資料加盟店側で確認する資料共同で照合する点
機器の管理関係契約、機器台帳設置機器、保守責任の書面使用等を管理する関係
整備記録集約している記録の範囲点検整備記録簿、整備報告機器・店舗・年度の対応
算定集計の前提充塡量・回収量の根拠CO2換算と重複の有無
提出所管省庁の案内必要な情報提供報告主体と期限

本部・加盟店で確認を分担する方法

台帳の作成者と管理責任を分けて記録する

本部が機器台帳を集約している場合でも、各加盟店が所有又は管理する機器の情報と、記録を更新する担当を確認します。台帳の作成者、点検整備記録簿の保管者、保守・修繕の責務を負う者が異なる場合には、役割を一つの一覧で示します。名称が似た法人や店舗を同じ主体として扱わないようにします。

契約の更新、加盟店の追加、閉店、設備の譲渡がある年度には、いつから誰が機器を管理したかを記録します。集計の基礎となる整備記録は、作業日と当時の管理関係で確認します。現在の加盟関係だけで過去の記録をまとめないようにします。

集計範囲を確認した根拠を残す

法第19条第2項の適用関係を確認する場合には、連鎖化事業者の要件、契約、機器の使用等を管理する関係を整理します。本部の名称を使っていること、同じ看板を掲げていることだけで集計範囲を決めるものではありません。確認した資料の名称、確認日、どの機器を含めたかを残します。

複数のブランド、異なる加盟形態、直営店と加盟店が混在する場合には、拠点ごとの表を先に作ります。その後に制度上の主体ごとの集計へ進むと、記録の重複を確認しやすくなります。

年度末の差異を確認する

店舗別の合計と全体の合計に差異がある場合は、冷媒種類、機器番号、作業日、所有又は管理関係を確認します。整備記録を遡って訂正する必要がある場合には、変更した日と理由を残します。数値の増減があっても、加盟店数の増減だけで説明を終えないようにします。

提出の要否や提出先について不明な点があるときは、所管省庁の案内に沿って確認します。契約に関する判断と法令上の集計は、関係する資料を分けて確認します。

確認した根拠を案件票に残す

フランチャイズの集計範囲に関する確認を行った日には、対象機器の管理番号、型式、設置場所、確認した資料、確認した担当者を案件票に残します。本部・加盟店の機器台帳、整備記録、契約と管理責任に関する資料を別々に保管する場合にも、同じ機器番号から保管場所を探せるようにします。口頭で確認した内容があるときは、確認先、確認日、確認した事項を記録し、推測で補った情報と区別します。

確認の結果が前回と異なる場合には、異なる理由を機器の変更、設置場所の変更、記録の追加、資料の更新などに分けて確認します。数値や書類の名称だけを更新するのではなく、どの資料に基づいて変更したかを残します。後から確認する担当者が、元の状態と変更後の状態を照合できるようにします。

管理責任や機器状態の変更を確認する

加盟店の追加・離脱、直営化、店舗の移転又は閉鎖がある場合には、管理者、保管する記録、確認の時点を見直します。現在の台帳だけでは過去の事実関係が分からなくなるため、変更前後の情報を消さずに履歴として残します。複数拠点の機器を扱う場合も、同じ名称の機器を設置場所と管理番号で区別します。

担当者の交代や組織変更があるときには、どの記録を誰が引き継ぐかを一覧で確認します。保管場所へのアクセス方法、紙の原本の所在、電子記録の確認方法を引継ぎ資料に記します。確認が済んでいない項目には、次に確認する資料や窓口を残します。

次の確認へつなぐ

報告主体と年度の集計範囲の確認を進める前に、機器情報、記録、確認結果に不足がないかを見直します。確認できない事項は類似機器の情報で置き換えず、型式、銘板、公式資料、所管窓口などの根拠を確認します。判断に使った条件を残すことで、同じ機器を次回確認するときの手掛かりになります。

定期的に案件票と機器台帳を見比べ、廃棄済み、譲渡済み、移設済みの機器が現在の一覧に残っていないかを確認します。記録の保管期間が異なる書類は、書類名と起算日を分けて管理します。

まとめ

フランチャイズの漏えい量報告では、契約、機器の管理関係、整備記録、集計主体を順に確認します。制度の全体像は、法令・制度解説にまとめています。

よくある質問

Q. 本部が必ず報告するのですか
本部が必ず報告するとは限りません。法第19条第2項の要件、契約、機器の使用等を管理する関係を確認します。
Q. 加盟店の機器は本部の集計に入りますか
一定の要件を満たす連鎖化事業者では、加盟者の機器の使用等を当該連鎖化事業者のものとみなす仕組みがあります。具体的な適用は所管省庁の案内で確認します。
Q. 店舗ごとに記録を集めればよいですか
店舗ごとの記録に加えて、制度上の報告主体、対象年度、冷媒種類ごとのCO2換算を確認します。記録の重複や漏れも照合します。
Q. 契約内容が不明なときはどうしますか
本部・加盟店間の契約、機器台帳、保守責任に関する書面を確認します。不明な点は、所管省庁の案内又は契約の確認先に相談してください。

出典

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