フロン点検記録の保存期間は?引渡し完了日から3年の考え方
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
フロン点検記録の保存期間は?引渡し完了日から3年の考え方
点検整備記録簿は、機器の廃棄等を行い、フロン類を第一種フロン類充塡回収業者へ引き渡し終えた日から3年を経過するまで保存します。機器を使わなくなった日や、機器を廃棄した日だけで保存の終わりを決めず、フロン類の引渡し完了まで確認することが要点です。
保存の考え方は、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第16条第1項に基づく管理者判断基準(平成26年経済産業省・環境省告示第13号)第四1と、同法第41条、第43条、第45条および施行規則に基づきます。2025年6月1日施行の改正による現行の表記を前提に、確認日2026-09-05時点の公的資料に沿って整理します。
保存期間の結論と起算日
点検整備記録簿の保存期間は、使用中だけを対象にした期間ではありません。廃棄等とフロン類の引渡しという二つの事実がそろった後にも、3年を経過するまで保存します(管理者判断基準 第四1、確認日2026-09-05)。
保存期間を確認するときは、機器の識別情報、廃棄等の状況、フロン類の引渡し完了の事実を同じ機器について照合します。これらを別の機器の記録と取り違えないことが、保存終了日を確認する前提になります。
対象となる機器が管理第一種特定製品に当たるかは、まず業務用かどうかと冷媒の種類を確認します。フロン点検の義務と対象機器を参照し、保存する記録がどの機器のものかを特定しておくことが出発点です。
記録簿の保存終了を確認する二つの条件

記録簿の保存終了を考える際には、管理第一種特定製品の廃棄等を行ったことと、その機器に冷媒として充塡されていたフロン類を第一種フロン類充塡回収業者へ引き渡し終えたことを確認します。この二つを別々に扱うため、機器を処分したことだけでは、保存期間の起点を確認したことになりません(管理者判断基準 第四1、確認日2026-09-05)。
「廃棄等」には、廃棄のほか、原材料または部品等として利用する目的での有償・無償の譲渡が含まれます(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第2条第8項第3号、確認日2026-09-05)。個別の扱いに迷う場合は、機器の状況と契約関係を確認した上で、所管窓口または専門家へ相談します。
3年を数える起点

管理者判断基準 第四1は、保存期間を「廃棄等を行い、フロン類の引渡しを完了した日から3年を経過するまで」と定めています。したがって、保存期間を数える起点は、廃棄等と引渡し完了を確認した日であり、使用終了日だけではありません(確認日2026-09-05)。
保存終了日を一覧で管理する場合も、機器の処分予定日と引渡し完了日を同じ日付として扱わないようにします。機器ごとの履歴を確認できる状態にしておくと、起点を取り違えにくくなります。
保存する書面を分けて確認する
保存対象には、点検整備記録簿のほか、廃棄等に関係する書面があります。ここでは各書面の記載要領には立ち入らず、保存する主体、保存期間、保存の起点を分けて確認します。
書面ごとに保存の根拠が異なるため、点検整備記録簿の保存期間を他の書面へそのまま当てはめないことが重要です。保存担当と保存開始を、機器ごとの廃棄等の経過と対応させて確認します。
点検整備記録簿

点検整備記録簿を備え、保存する主体は管理者です。保存期間と起点は、管理第一種特定製品の廃棄等を行い、フロン類の引渡しを完了した日から3年を経過するまでです(管理者判断基準 第四1、確認日2026-09-05)。
記録簿に何を残すかを確認したい場合は、点検整備記録簿の記録事項を参照してください。保存期間の判断では、記録事項の詳細よりも、どの機器の引渡しがいつ完了したかを確認することが中心になります。
回収依頼書と委託確認書

回収依頼書または委託確認書の写しは、第一種特定製品廃棄等実施者が保存する対象です。フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第43条と施行規則は、これらの写しの保存期間を3年と定めています(確認日2026-09-05)。
保存管理では、記録簿と同じ書面としてまとめるのではなく、廃棄等に関する写しであることを区別します。保存の起点は書面ごとの根拠と実際の交付・受領の経過を対応させ、機器の記録簿と混同しないように確認します。
引取証明書

引取証明書は、第一種特定製品廃棄等実施者が保存する対象です。フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第45条と施行規則は、引取証明書の保存期間を3年と定めています(確認日2026-09-05)。
引取証明書も、点検整備記録簿の保存期間の起点だけで処分時期を決める書面ではありません。保存の根拠と書面の受領経過を確認し、記録簿、回収依頼書または委託確認書の写しと区別して保管します。
廃棄・売却前に整理すること
廃棄等の前には、機器ごとの記録簿とフロン類の引渡しに関する状況を結び付けて確認します。第一種特定製品の廃棄等を行おうとする管理者は、自らまたは他の者に委託して第一種フロン類充塡回収業者へフロン類を引き渡します(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第41条、確認日2026-09-05)。
拠点が複数ある場合は、廃棄予定の機器を店舗名だけで管理せず、どの記録簿、どの引渡しに対応するかを確認します。多店舗・多拠点のフロン点検管理の考え方を使うと、拠点横断の一覧と機器別の記録を分けて整理できます。
引渡し完了を確認する
引渡し完了は、点検整備記録簿の保存期間を数えるための重要な確認点です。廃棄等に関係する書面と機器の記録を対応させ、フロン類の引渡しが完了した日を確認できるようにします。
簡易点検を管理者自身で行っていた機器でも、廃棄等の際の手続きと保存の考え方は別に確認します。フロン簡易点検を自分で行う方法で、使用中の点検記録の考え方も併せて確認できます。
売却時の記録簿の扱い
管理第一種特定製品を他者に売却する場合は、記録簿またはその写しを機器と合わせて売却の相手方に引き渡します(管理者判断基準 第四5、確認日2026-09-05)。売却前に、どの記録簿がどの機器に対応するかを確認しておくと、記録の取り違えを防ぎやすくなります。
売却する機器と廃棄等を行う機器では、記録の扱いを同じ言葉だけで判断しません。機器の現在の状態と、フロン類の引渡しに関する状況を確認してから、必要な記録を整理します。
よくある質問
機器の使用を終えたら記録簿を処分できますか
処分できるとは限りません。記録簿は、廃棄等を行い、フロン類の引渡しを完了した日から3年を経過するまで保存します(第一種特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項 第四1、確認日2026-09-05)。
回収依頼書や委託確認書も保存しますか
保存します。回収依頼書・委託確認書の写しは第一種特定製品廃棄等実施者の保存対象であり、保存期間は3年です(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第43条、確認日2026-09-05)。
引取証明書も同じ期間ですか
引取証明書も第一種特定製品廃棄等実施者の保存対象で、保存期間は3年です。記録簿と同じ書面として扱うのではなく、法律第45条と施行規則に基づく保存対象として区別します(確認日2026-09-05)。
機器を売却する場合、記録簿はどうしますか
記録簿またはその写しを、機器と合わせて売却の相手方に引き渡します。機器の識別情報と記録の対応を確認してから引き渡します(管理者判断基準 第四5、確認日2026-09-05)。
まとめ
点検整備記録簿は、廃棄等を行い、フロン類の引渡しを完了した日から3年を経過するまで保存します。回収依頼書・委託確認書の写し、引取証明書も保存対象ですが、記録簿とは根拠と経過を分けて確認することが大切です。
保存と廃棄等に関する記事は、フロン点検に関する法令解説で確認できます。サイト内容へのご意見・ご質問は、お問い合わせの「サイトへのご意見・ご質問」からお寄せください。
出典
- フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)(laws.e-gov.go.jp)
- フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律施行規則(平成26年経済産業省・環境省令第7号)(laws.e-gov.go.jp)
- 第一種特定製品の管理者の判断の基準となるべき事項(平成26年経済産業省・環境省告示第13号)(env.go.jp)
- 環境省「第一種特定製品の管理者等に関する運用の手引き 第3版」(env.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。フロン排出抑制法の点検義務と対象判定、費用実勢について、e-Gov・環境省・都道府県の公開名簿等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
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