選び方・比較

RaMSでフロン漏えい量を集計する前に|記録と確認事項を整理

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

8分
目次

RaMSでフロン類算定漏えい量に関する資料を確認する前に、機器ごとの充塡・回収記録、冷媒種類、拠点情報を整理します。RaMSの公式ガイドには算定漏えい量報告書の作成・閲覧が示されていますが、記録の範囲と提出の要否は別に確認します。

管理者判断基準第四、フロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令第2条から第4条、一般財団法人日本冷媒・環境保全機構「管理者のための利用ガイド Ver.14-1」を基に、2026年9月21日に確認しました。

集計前に確認する制度上の前提

充塡・回収の記録

機器ごとの冷媒充塡量と回収量を集める手描き図
機器ごとの冷媒充塡量と回収量を集める手描き図

算定漏えい量を確認するには、整備時の冷媒フロン類の充塡量と、同じ整備時に回収した量を記録します。新設又は設置の際に初めて充塡した量は分け、充塡量から回収量を控除して実漏えい量を確認します。機器管理番号、作業日、冷媒種類、量を対応させます。

対象機器の基本は、フロン点検の義務と対象機器で確認できます。RaMSに記録を整理する前に、紙や電子の点検整備記録簿を機器ごとに確認します。

CO2換算の確認単位

冷媒種類ごとの実漏えい量をCO2換算する図
冷媒種類ごとの実漏えい量をCO2換算する図

実漏えい量はkgで確認し、冷媒種類に応じた地球温暖化係数を用いてt-CO2へ換算します。冷媒の種類が異なる記録を同じ係数で扱わず、種類ごとの根拠を残します。年度をまたぐ記録では、整備日を基に対象年度を確認します。

年間1,000トンCO2以上かの確認は、制度上の報告主体と集計範囲を整理してから行います。RaMSの画面に表示された数字だけで、報告の要否を一律に決めません。

RaMSで確認する前の準備

機器・拠点情報の整理

複数拠点の機器管理番号と記録を整理する図
複数拠点の機器管理番号と記録を整理する図

公式ガイド Ver.14-1は、機器管理番号ごとにログブックを作成し、管理者のメニューから記録を確認する機能を案内しています。集計に備えて、機器番号、設置場所、管理責任、冷媒種類、整備記録の保管場所を一覧にします。店舗、事務所、工場など複数拠点がある場合にも、機器と拠点を対応させます。

定格出力の確認は、業務用エアコンの定格出力の見方が参考になります。出力区分は点検頻度の確認材料であり、漏えい量の集計では充塡・回収記録を中心に整理します。

公式ガイドの現行版を確認する

RaMS公式ガイドと報告書作成の案内を確認する図
RaMS公式ガイドと報告書作成の案内を確認する図

RaMSの公式ガイドは、算定漏えい量報告書の作成・閲覧を案内しています。利用前には、事業所登録、本社情報、機器管理番号、記録の登録状況を公式の現行案内で確認します。報告書の作成・閲覧機能と、法令上の報告先・提出期限を同じ意味に扱わないことが重要です。

画面の名称や操作の順序は更新される可能性があるため、実際の操作は公式ガイドで確認します。本稿では、記録を集計に使う前の確認事項を整理します。

集計時に分けること

算定と提出を混同しない

記録、算定、報告書、提出先を分けた手描き図
記録、算定、報告書、提出先を分けた手描き図

算定では、充塡量、回収量、冷媒種類、係数、年度を確認します。RaMSの機能で報告書を作成・閲覧できても、法令上の報告要否、報告主体、提出先、期限は別に確認します。フロン類算定漏えい量等の報告等に関する命令第4条では、特定漏えい者が毎年度7月31日までに報告する仕組みを定めています。

日常の点検記録は、簡易点検と定期点検の違いも参照できます。記録を日頃から機器別に整理すると、年度後の集計の根拠を確認しやすくなります。

個別の報告要否を断定しない

年間1,000トンCO2の基準は、冷媒の重量ではなくCO2換算の算定漏えい量です。複数拠点、フランチャイズ、管理責任が分かれる機器では、集計する主体と範囲を確認する必要があります。個別の報告要否は、所管省庁の案内に沿って確認します。

記録・集計・報告の確認順

確認する記録集計の単位公式ガイドで確認する事項確認先
充塡量、回収量、冷媒種類機器、整備日、年度ログブックの記録状況点検整備記録簿
機器番号、設置場所機器、拠点、管理責任機器管理番号ごとの情報機器台帳、銘板
CO2換算量冷媒種類、報告主体報告書の作成・閲覧の案内公式の算定資料
提出の確認法令上の報告主体操作手順の現行案内所管省庁の案内

集計前後に確認する記録

元の整備記録とログブックを照合する

RaMSで集計に使う情報を確認する前に、機器管理番号ごとのログブックと、元の点検整備記録簿又は整備報告を照合します。作業日、冷媒種類、充塡量、回収量、設置場所が同じ機器の記録かを確認します。別の拠点から移設された機器は、移設前後の管理番号や設置場所も確認します。

点検実施日だけでは、充塡量と回収量の根拠が分からない場合があります。整備の記録を追加して確認し、設置時の初期充塡と整備時の充塡を分けます。記録が不足する場合に推測で数値を入力せず、保管場所と確認できない項目を残します。

拠点別集計を全体の集計へつなぐ

店舗、事務所、冷凍倉庫、工場など複数拠点の機器を管理する場合には、拠点別に機器番号と冷媒種類を一覧にします。拠点ごとの集計を確認してから、制度上の報告主体ごとの集計に進みます。管理責任が異なる機器を同じ表に入れないよう、所有・使用等を管理する関係を確認します。

年度の途中で機器の売却、廃棄、移設、店舗の閉鎖があった場合には、整備日と当時の管理関係を確認します。年度末の台帳だけを使うと、対象期間内の記録を見落とす可能性があります。

報告書の作成・閲覧と提出を分ける

RaMSの公式ガイドには、算定漏えい量報告書の作成・閲覧ができることが示されています。一方で、法令上の報告では、年間の算定漏えい量、報告主体、提出先、毎年度7月31日までの期限を確認します。画面上で資料を作成できることと、提出の手続が完了することは別に確認します。

提出後には、元の記録、集計表、報告書の控え、提出日を対応させて保管します。年度後の照会や訂正が必要になった場合に、どの機器のどの記録を集計に使ったかを確認できます。

確認した根拠を案件票に残す

RaMSで確認する集計記録を確認した日には、対象機器の管理番号、型式、設置場所、確認した資料、確認した担当者を案件票に残します。機器管理番号ごとのログブック、整備時の充塡・回収記録、集計表を別々に保管する場合にも、同じ機器番号から保管場所を探せるようにします。口頭で確認した内容があるときは、確認先、確認日、確認した事項を記録し、推測で補った情報と区別します。

確認の結果が前回と異なる場合には、異なる理由を機器の変更、設置場所の変更、記録の追加、資料の更新などに分けて確認します。数値や書類の名称だけを更新するのではなく、どの資料に基づいて変更したかを残します。後から確認する担当者が、元の状態と変更後の状態を照合できるようにします。

管理責任や機器状態の変更を確認する

拠点の増減、機器の売却・廃棄、管理責任又は年度の変更がある場合には、管理者、保管する記録、確認の時点を見直します。現在の台帳だけでは過去の事実関係が分からなくなるため、変更前後の情報を消さずに履歴として残します。複数拠点の機器を扱う場合も、同じ名称の機器を設置場所と管理番号で区別します。

担当者の交代や組織変更があるときには、どの記録を誰が引き継ぐかを一覧で確認します。保管場所へのアクセス方法、紙の原本の所在、電子記録の確認方法を引継ぎ資料に記します。確認が済んでいない項目には、次に確認する資料や窓口を残します。

次の確認へつなぐ

算定内容又は報告要否の確認を進める前に、機器情報、記録、確認結果に不足がないかを見直します。確認できない事項は類似機器の情報で置き換えず、型式、銘板、公式資料、所管窓口などの根拠を確認します。判断に使った条件を残すことで、同じ機器を次回確認するときの手掛かりになります。

定期的に案件票と機器台帳を見比べ、廃棄済み、譲渡済み、移設済みの機器が現在の一覧に残っていないかを確認します。記録の保管期間が異なる書類は、書類名と起算日を分けて管理します。

まとめ

RaMSの報告書作成・閲覧機能を使う前に、機器ごとの充塡・回収記録と拠点情報を確認します。算定と提出を分けて整理し、関連情報は実務ガイドで確認できます。

よくある質問

Q. RaMSだけで報告まで終わりますか
RaMSの公式ガイドには報告書の作成・閲覧が示されていますが、提出の要否、提出先、期限は法令と所管省庁の案内で別に確認します。
Q. どの記録を揃えますか
機器ごとの整備時の充塡量、回収量、冷媒種類、作業日、設置場所、管理責任を確認します。設置時の初期充塡と整備時の充塡を分けます。
Q. 多拠点では何を揃えますか
拠点ごとに機器管理番号、機器情報、整備記録の保管場所を整理します。全体の集計前に、どの主体の記録かを確認します。
Q. 集計方法はどこで確認しますか
算定の構造は法令と公式の算定資料で確認し、RaMSの画面操作は一般財団法人日本冷媒・環境保全機構の公式ガイドの現行版で確認します。

出典

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